執着のせいで終着せず、祝着が遠のく

この命さえも、もはや要らんと言うのに。

私は一体、何に執着している?

「お前、必ず明日で死ぬから」と、宣告を受けても。

へぇそうかいってなもんだ。

握り締めた時の安堵感よりも、振り解いた時の安堵感の方が信用できる。

いつまでも同じ気持ちで居られるならいいですね、無理に決まっているけど。

今流れている川は、昨日と同じ川じゃない。

今吹いている風は、昨日と同じ風じゃない。

同じに見えても、もう違うものだ。

見て呉れがいかに同質であると主張していても、全く別のもの。

ずっと不変であると信じ込めたなら、どんなにか楽だろう。

いつの間にか偽物に掏り替わっていても、まるで気付かず笑っているんだ。