砂漠からの脱出

人を憎み怨むほど、精神は摩耗し損なわれていく。

即ち、人を呪わば穴二つ。

咎人を葬るための穴が、自身の墓に成りかねない。

それならば、どこかの時点で許してしまった方が、結果的には楽だろう。

即ち、笑う門には福来る。

笑って暮らした方が心身に健全をもたらすのは、自明の事実。

過去とは、砂漠の大渦のようなものだ。

あらゆるものは飲み込まれ、何一つ帰って来ることはない。

人は建設的に生きていくべきだ。

砂漠が見せる蜃気楼の中で、在りもしない幻影と戦うのは愚かでしかない。

過去は放っておいても、いずれ消え去ってしまうもの。

大切なのはいつでも、明日を築いていくこと。

未だ見ぬ何かに手を伸ばして、新しい繋がりを作ること。

それがいつか、渦の底に沈んでしまうのだとしても。