あの星が瞬く意味が解るまで、僕はここで手を振るよ

死ぬまで生活に困らない設備を持った宇宙船で、二度と戻れない旅に出るのと。

相も変わらず今の世界で生きるのを、一つだけ強制的に選ばざるを得ないなら。

私は一体、どちらを選ぶのだろうか。

死ぬまで生活に困らない設備とは、ドラえもんなどの藤子漫画を想像して欲しい。

人間のせいでこんな目に遭わされたが、私は人間のいない世界を知らない。

ただ一人で生きるという状況を、経験したことがない。

普通に生きていれば、この先も一生ないだろう。

完全なる自由を手にして、一切の煩わしさから解放されたい気持ちもあるが・・・。

しかしやはり、それは机上の空論なのだろう。

人間は予め、群れて生きるようにプログラミングされている。

人間と同程度のアンドロイドがいたところで、やはりそれは紛い物だ。

生身の人間が傍にいなければ、私たちは生きてなどいけない。

例えそれが、どんなに辛く困難なものであったとしても。

あの空には、打ち上げた無人探査機に行ってもらうとして。

私たちはこの地べたの上で、相も変わらず生きていくのだ。