敗走

もう最近はずっとツインレイ関係の情報をネットで貪るように読んでいるんだけど、だいたいテンプレートな流れが決まっていて、ほぼ間違いなく別離の期間を挟むらしい。

男性の方はランナーと呼ばれ、女性の方はチェイサーと呼ばれるらしい。

要は、男性が逃げる側で女性が待つ側らしい。

せっかく素晴らしい出会いを果たした後、ほぼ男が逃げるんだとさ。

んで自分の場合ですけど、最終日に二人だけで作業をした時、ほんとは完成まで持っていくのにもう少し時間がかかるって言われて、ちょっと微妙な空気になってた。他にもやらなければいけない別の仕事もあるしって。あの日に若菜さんが言いたかったニュアンスとしては、私の研修期間をもう少し延ばせないのか?ってことを伝えたかったんだと思う。

ただ私は長いブランクがあったせいもあり、大真面目に疲れ切っていたし、一週間で終わりにしたかった。長年お世話になっているNPOの就労機関から縁あって研修のお話を頂き、ちゃんと頑張ってそれなりの結果を出していけばそのまま正社員として雇ってくれる可能性もある、願ってもいない好条件の研修だったのだが、私はもうすでに限界を感じていた。元々が病弱で体が人よりも遥かに弱いので、事前にある程度は体力作りをして臨んだのが、はっきり言って焼け石に水であった。

毎日食欲もなく吐きそうになり、夜も寝られなかった。

本社での研修というのがそもそもプレッシャーで、場違いな自分が席に座っているだけで死にたくなるレベルだった。

社員の人はみんないい人だったし、ただただ悪いのは結果を出せない自分であった。

そんな状況の中にあって、若菜さんというのは最高の癒やしであった。でもだからこそ辛かった。一緒にいたいと思えば思うほど、この仕事に対する適性の無さが呪われた。まさに無能であった。自分の不甲斐なさに絶望し、一週間で終わることに決めた。

共同作業の仕事は若菜さんが時間目一杯まで頑張ってくれたので、無事に完成し、完成品も二人で見ることが出来た。今も日本のどこかにそれは存在し、誰かの役に立っているはずだ。自分にとっては月に立てた旗のように誇らしいことである。

何かもう最終日は心身共に疲れ切って記憶が飛び飛びで、若菜さんにも「その話、さっきもしましたよね?」と言われる有り様。何しろ、10分前に自分がした話を忘れ、同じ話を二度するのだから呆れ返る。これではボケ老人と同じではないか。

最後も何かバタバタしてろくに感謝の言葉を伝えることも出来ず終わってしまった。ただただ疲れ切り、何も考えられなくなっていた。最後、何か言いたそうにこっちを見ていたのに、なぜ自分は話しかけることもせずそのまま去ってしまったのか。

話は最初に戻るが、私もツインレイが辿る道筋の通りに進んでいるように思える。今のところは。自分のコンプレックスに押し潰され、無能さに打ちのめされ、これ以上そばにいることは出来ないと、私は無様に敗走したのである。

もしこのまま会うことがなければ、その程度の縁なのだろう。

私はいつでも縁の下の力持ちでいいのだ。陰から支える人間。例え自分が幸せになれなくてもいい。