若菜さん

マコなんてどうでもいいんだ、俺が会いたいのはいつだって若菜さんだけなんだ。君だけがいつも俺のそばにいればいい。もう他に何もいらない。

何であんな最悪な状況とタイミングで出会ってしまったのでしょうか。運命?人間に自由意志なんか本当はないような気もする。ただ流れに身を任せて生きていたい。

しかしこの人も変わってる。当然この人も五本の指に入る。いやね、俺自身がまず変人の極みなんだから類は友を呼ぶんだろうなってのも解るのよ。だって俺、普通の人って好きにならないから。変わってる子しか好きになれない。変わっていれば変わっているほど、この子とは仲良くなれるかもって思う。
 
もうこの人はボケも天下一品だしさぁ。俺マジでボケる人って大嫌いなんだけど、若菜さんだけは天才だから許す。本気で面白いから許す。笑いの神様なんじゃないかってくらいに面白い。普通の会話をどれだけ面白く出来るかっていう俺のユーモアのスタンスとよく似ている。君とユーモアでバトりたい。あんまり面白さを周囲の人間たちは理解できてない感じはあったな。天才ってのはいつだって理解されないんだ。悲しいね。切ないね。俺は君の面白さをちゃんと理解できてる。一発目から理解できてる。こんなボケ方がこの世に存在するのかってくらいの衝撃が走りました。

俺が「普通の人間」だったら今すぐにでも結婚したいんですけど、君を「経済的に幸せ」に出来るのは俺ではないでしょうね。金がなくても愛があればとは言うけど、絶対に金が無けりゃギスギスするのは明白。せめて俺が健康だったらなぁ。君は健康優良児そのものって感じだし羨ましい。仕事も出来るし容姿端麗、非の打ち所がない。俺は非の打ち所しかない。俺は一生君に手が届かない。

君の人生における幸せの定義が普通の人間とよっぽど違うなら可能性はあるけど、天地がひっくり返ってもそんなことある?普通は天地無用。ひっくり返すことは許されないのです。革命は起きない。

最後の最後、君の方から俺を見てくれたのに俺は見つめ返せなかった。

どうして俺は普通の人間じゃないんだ。どうして俺だけが普通の人間じゃないんだ。

君に会いたいが君に会ってもどうにもならない。

小さな幸せすら、火星よりも遠く感じる。