泣きたい!

あの子と出会ってから、閉じきっていた感情の扉が開いたのは間違いないんだよ。もう完全に人生諦めモードでいつ死んでもいいと思っていたし、何かもう本当に悟った気になってた。この先一生、結婚どころか恋愛もせず終わるんだろうなって思ってたし。でも・・・なぜか出会ってしまったんだ、あの日あの時あの場所で。

出会ってすぐの頃は何か知らんけどめちゃくちゃ事あるごとに泣いてたし、もう訳分かんなくなってた。自分に人間が本来もっているべき感情が戻ってきたから、泣けて泣けて仕方がなかった。悲しい時に人は泣くものであるという当然の事実を思い出したんだ。それだけ過去が辛かった。その辛さを感じたくないあまり、感情の扉を閉めきってしまったんだ。一種の防衛作用。苦しみが限度を超えて自殺しないための。

感情が一気に戻ってきてから、すごく音楽を聴くようになった。もう何年も音楽をまともには聴いていなかったと思う。そりゃ好きなアーティストのCDが出ればそれだけは買っていたけど、リピートして何度も何度もヘビロテみたいなことはしなくなってた。音楽が自分にはもう必須ではなくなっていたんだ。だって感情が閉じていたから、音楽を聴いても感動も興奮もない。昔から好きなアーティストは確かに好きだけど、でも何か凄く冷めてたと思う。昔は本当に毎日音楽漬けの生活だったから。あの子と出会って感情を取り戻して、音楽がまた自分にとって重要な意味を持つようになった。

でも、あれからもうすぐ一年ですよ。ずっと会えてない。

せっかく感情が戻ってきたのに、それを伝えたい!表現したい!って子が今ここにはいない。どこにいるのかも解らない。この先もしかしたら一生会えないかも知れない。

ずっと感情が閉じたままだったら、空っぽのまま空っぽの人生を終えることが出来たのにな。

また少しずつ感情は薄くなってきてはいるけど、完全には閉じないだろう。あの子と出会った衝撃は、それくらい凄かったんだ。あくまでもイメージの話だが、一つの宇宙が始まって終わるくらいの衝撃だった。ツインレイとかちゃんと調べ出す前から、自分にとっては宇宙規模の話だった。

こんなに苦しいなら、出会うべきではなかった・・・そうも思う。

もし再会でもしようものなら、新たなる苦しみの始まりに過ぎない・・・そうも思う。

この人生どん底の状態からどうすれば這い上がれるのかって話だし。

自分のゴミクズ同然の人生に、若くて未来のある女の子を巻き込んでいいのか、そんなことが本当に許されていいのかって自問自答は続く。答えなんて出る訳がない。今まで生きてきて、あんなに深い魂の繋がりを感じる人は他にいなかったんだ。だから諦めきれない。あの子と会って初めて自分の孤独な人生が終わりを迎える気がしたんだ。

会いたい会いたいと思いつつ、それと同時に会いたくない会いたくないとも思っているんだ、本当は。自分の心に嘘はつけない。

会えば苦しむのは、会う前から解っている。

泣きたい。

泣きたいけど、もう涙も出ないんだ。