今思えば、最終日にすれ違った時にあの子の目をちゃんと見ておくべきであった。
何度か目を伏せていたあの子が、能動的かつ自発的に私を見ようとしたのはあの一回だけだった。向こうが私を見ているのが解っていたのに、あろうことかそのまま顔を伏せて真横を素通りしてしまったのだ。本来であれば、あの場面でちゃんと目を合わせ感謝の言葉を告げるのが普通の人間の行動なのだが、それが出来なかった。今思えば、あれが最後のチャンスだったのに。
完全敗北を喫し、自分の無能さに絶望し、その後に顔を見ることも一言も言葉を交わすことなく、全てを自分で終わらせてしまった。俺が全部悪い。全部俺のせいだ。俺のせいでこんな結末になってしまったんだ。
ああ、どうしてあの時・・・。
どうしてと言い始めればキリがない。そもそも何で自分がこんな苦労して生きてこなければならない人生なのかって、まずそれを神に問い合わせたいくらいだからな。
もう二度とこんなに人を好きになることはないかも知れない。
今までの恋愛は全部がカルマメイトだった。ツインソウルですらない。怒りとその克服が全てだった。恋ではあったが愛ではなかった。
せめて一度、目を見つめるチャンスが欲しい。もうそこで普通じゃないことが起きたら、そのまま手を握ってもいい。それでもなお確信できないようなら、結局はごくごく普通の恋愛の一つに過ぎないんだろうなって感じ。それならそれでいいんだ。ストーカーになんて絶対になりたくないからな。寧ろ思いっ切り本気のビンタをされたいわ。それで全ての諦めがつく。全てが自分一人の単なる思い込みに過ぎないなら、完全に未練を断ち切るべきなんだ。まだ確信も否定も出来ない状態だから生殺しで苦しいんだよ。
もはや、単なる恋愛の執着という言葉で説明できるのかどうか・・・目覚めた瞬間からまた夢ん中で、もうずっと君の夢を見ているというのに・・・同じ気持ちでいてくれたらいいなって、針の穴に通すような願いを繋いでいるというのに・・・これがツインレイでも何でもなく、ただの妄想だというのか・・・?
どうしてと言い始めればキリがない。だがしかし、これではあんまりだ。
あと一回だけでも会わせてくれ。それで全てを見極める。