少なくとも、この世にはいる

俺の彼女は病気に理解のある人でなければならない。

そもそも狭いゾーンが、さらに狭くなる。

双極性障害

よく解らないけど、がんばって元気を出せばディズニーランドに行けるんでしょ?

無理です。

無理です。

解ってください。

おうちデートからスタートです、解ってください。

ほんの少しずつ遠くに行けるように、スモールステップを確実に踏んでいきます。

おうちデートの次は、徒歩一分の商業施設です。

今の俺には徒歩一分の場所でも大変なんです、解ってください。

解ってくれないか。

解ってくれないよなぁ。

ブログを書き始めた18歳の俺には解らない。

あの頃はまだ、毎日ゴキゲンよろしくやっていた。

特別、自分が不幸であるとも思っていなかった。

人生なんとかなるだろう。

ならないのです。

18歳の青年にはまだ、その先に待つ地獄を知らない。

いや、15歳の少年にも、その先に待つ地獄を知らない訳ですが。

いや、12歳?

少なくとも小学生までは幸せだった。

18歳の俺は地獄をくぐり抜けたが、まだなんとかなるだろうと思っていた。

20代前半はとにかく彼女がほしかった。

そういう時期もあった。

誰でもそうか。

俺は幸せになることを諦めない。

まだそう思っていた。

少しずつ何かが狂いだした。

精神のネジが少しずつゆるんでいく。

ある日急に爆発した訳ではなく。

少しずつ俺の精神状態は悪化していった。

もう二度とあと戻りできないほど、俺の精神は極限まで追い詰められた。

仕事を辞める。

働けなくなる。

少し働いたりした時もあった。

就労支援。

就労移行支援にも通った。

でも、もう無理だなって思った。

俺は完全に働くことを諦めた。

外に一歩も出ない、引きこもり生活が始まった……。

……彼女?

俺はいったい何を言っているのだろう。

引きこもりがどうやって彼女をつくるのだろう。

いろんなことを諦めてきた。

彼女も本当は諦めているけど、最後の希望として残しておく。

若菜もいるし。

少なくとも、この世にはいる。