一握の砂

mixiで、何かお勧めの本はありますかって訊いてくる奴がいたから。

ノルウェイの森なんてどうって言ったら。

やっぱり自分で探してみますって女がいたけど。

おかしいだろ。

人に訊いておいて、自分で探す?

社交辞令でいいだろ。

今度、読んでみますね(本当に読むとは言ってない)でいいじゃん。

俺は、あんたの上司でも教師でもない。

ちゃんと読んだの?とは訊かない。

確かに、村上春樹は評価が真っ二つに分かれる。

さらに、ノルウェイの森知名度は抜群だが、これもまた評価が分かれる。

実際の話、俺は長編の中では下から3番目だ。

正直、村上春樹の中ではかなり微妙な方。

ただ、知名度が抜群で小説としては安定している方だから勧めてみた。

その女は、村上春樹が嫌いなのだろう。

でも、言い方ってもんがあるだろう。

未だに納得できない出来事の一つ。

納得できる?

できないよね?

うーん。

人間失格か?

砂の女か?

蜘蛛の糸か?

こころか?

人に勧める一番無難であんまり読んでなさそうな本ってなんなの。

サラダ記念日という変化球もある。

短歌だけど。

小説の本当の初心者には、ようこそ地球さんを勧める。

小学生でも読める。

これを読めない奴は、国語で1だろ。

むしろどうやったら国語で1取れるのって話。

君、日本人だよね?

星新一は全部読んだね。

中高生なら、ぼくは勉強ができない、だな。

何度も何度も読んだ。

大人向けのお勧め小説って、マジでなんなのよ。

しばらく小説の世界から遠ざかっていたから、本当に解らない。

俺が納得できる小説なんて、ほんの一握り。

一握の砂だけが、俺を癒やす。