あたし以外に生きている人間が一人もいない世界

恩田陸の『Q&A』を読了。

もう、これの前に読んだ本がいつだったか思い出せない。とーーーっても本を読んでなかった(汗

いやぁ、好きなんだよこういう話。訳わかんなくて、ゾクゾクする話。ホラーは嫌い。あれはただ表面的に怖いだけだから。

私が好きなのは、ミステリーよりミステリアスな話。奇妙さに満ちていて、明確な正解がない話。

大型商業施設で起きた大量死の原因を、色々な人間に語らせることにより多角的に情報を読み手に与える形で物語は進行していく。

題名の通り、問いと答えだけの文章で物語が構築されてる。ひじょーに実験的な作品だったよ。

個人的に最後の章は蛇足だった気がする。完全な種明かしな訳でもないし、最後の最後で中途半端な正解(らしきもの)を提示されるのもどうなんだ。そこまでの流れをすべて台無しにする要素を孕みすぎだぞ(汗

その一つ手前の章で終わっとくべきだったと思うがなぁ。

“なんだか大きな足が降ってきそう。あそこを上から誰かが踏んだら、中身もろともペチャンコね。逃げ出す暇もない。だけど、踏んだ当人は自分が踏んだことに気付かないの。恐らく鼻歌なんか歌いながら、楽しく散歩を続けているんだわ”

・・・で終われば、綺麗に落ちたのに。

しかしまぁ、私は不思議な話が病的に好きだ。