手にしても、いつか失ってしまう

もう大切なものを失うのは嫌なんだよ。

だから大切なものにしたくない。どうでもいい普通のものなら、失っても傷つかない。胸が痛まない。

どこまでいっても、自分以外の人は他人。血が繋がっていようがなんだろうが、全く別の存在。

それでも人が人に触れたいと思うのは、死ぬまで孤独(二つが一つになれない)だと解っているだからだ。少しでもその苦しみを緩和しようとする。

もう全て忘れようか。それとも、あの子に好きだと伝えようか。