遭難者

真っ暗な部屋の中で、布団にくるまっていた。

外では、強い雨が降っている。

ぼーっとしてたら、いつものように地震が来て。

嵐の中を彷徨う、船の中に居るように感じた。

何だか、無性に怖かった。

こんな淋しい夜を幾度も越えて来たのに、今日だけは異常に怖かった。

気が狂いそうになった。

雨の中の地震というのは、ただの引き金で。

自分の病気とか、仕事とか、人間関係とか、今までの人生におけるあらゆる恐怖が一気に噴き出したような――――

潜在的な、意識していない遥か底にある怖れまで、引きずり出されたみたいに。

もう、独りは嫌だ。

気が狂ってしまう。

嵐の中の遭難者。

助けが来た時には、廃人かもしれない。

いや、気が狂ってしまった方が幸せなのか。

だってもう、恐怖も迷いも無くなってしまうもの。

それもまた一つの、安寧の形。

私本当に、どうすればいいですか?