子の心、親知らず

――先日。

歯医者「親知らずですね。抜きますか?表面に生えて来てないので、かなり大変な作業になると思いますが」

シズク「マジ痛いっすか?」

歯医者「マジ痛いっすね(ニッコリ)」

シズク「考えさせて下さい・・・」

――後日。

いってぇぇぇぇ!!!!!!!飯がまともに食えねぇぇぇぇぇ!!!!

内部で親知らずが、歯茎を刺激しているのだ。

ついでに、反対側には口内炎が。

激痛のあまり気が遠くなりそうになったので、覚悟を決めて予約。

――昨日。

何も考えず、何も思わず、無心で抜歯に向かう。

院長、副院長にもご登場頂いての激闘。

実に、1時間半以上の長丁場。

死ぬかと思った。

表面に生えてないので、肉や骨を切開して、内部から引っこ抜く訳だ。

歯とか、骨とか、私めっちゃ固いらしいね。

どうなってんだ・・・固すぎ・・・抜けない・・・その他の不安を煽る専門用語・・・

やめて!やめて!怖い事を色々口走らないで!

横についてくれたアシスタントの女性が優しくて、癒された。

「痛いです。先生、痛いです」って、私の代わりに言ってくれたり。

私の表情から気持ちを汲み取ってくれて、色々助かりました。

難産の末に取り上げられた親知らずを見て、もう自分もそんな歳になったかぁ・・・そんな感慨に浸る余裕など、在ろうはずが無い。

家に帰ってからは、虚ろな眼でずっと頬を冷やしてた。

日付も変わり、ついでに月も変わり、元気になって来たので、キーボードを叩いている。

こんな感じで、私が1つ年齢を重ねる9月が始まった。