自己同一性

誰と接するかによって、自分という存在も変容する。

本当の自分は、在るようで、無いようで。

誰とも関わらない時の自分もまた、1つの側面ではあるが、それが全てではない。

というより、誰とも接する事のない自分は、無に等しい。

比較対象がなければ、自分がどういう存在なのか自己認識できない。

他者を介することで、初めて自分という存在も確立される。

鏡を覗き込むように、私を映してくれる。

他者とはまさに、物を言う鏡だ。

誰かが居なければ、自分も居ない。

誰かが居れば、自分は居られる。

人は、孤独という宿命を背負いつつも。

人は人と繋がらざるを得ない事もまた、定めであるのだと。

音のしない部屋の中で、ぼんやりと想念はめぐる。