欲求指針

欲が薄くなると、何をやればいいのか本当に解らなくなる。

それでなくても私は、趣味の1つも無いからね。

全ての欲なんて消え失せればいいと思っていたけど、欲を失うということは進むべき指針を失うということでもあるんだな。

これがしたい!あれがしたい!が、初期原動力な訳だから。

最初の一歩さえ、どこへ向かって踏み出せばいいのか解らない。

コンパスはぐるぐると回り続けるばかりで、正確な方角を示さない。

煩悩という遊び道具を手放すと、百年の孤独が更に退屈になるとは。

「あんたは何もしなくていいし、何も感じなくていいけど、寿命が尽きるまでは、その場所で大人しくしていてくれ」

・・・いやいや、それが一番辛いだろう。

俗世に塗れて生きることが、最も退屈しない。