何も問題が無ければ、何もすることが無くなってしまうという事実。
生まれてから死ぬまで、その多くは問題の解決に費やされる。
何も問題が無いのなら、最初から最後まで空白の時が過ぎていくだけ。
好きなものでも簡単に極めてしまえるなら、すぐに興味が失せてしまう。
修業というのは、極めきれないストイックな自己陶酔が楽しみなんだよ。
初めから何もかも手に入っているなら、登り詰める意味も無い。
問題解決という遊び道具に、ずっと踊らされているだけ。
虚しさというより、でもまぁ実際はそういうもんだよなという気付き。
問題が在っても問題で、問題が無くても問題で。
結局は、滑稽なドタバタ劇を演じ続けるしかないのか。
愚かと知りながら、憐れと知りながら、大仰に泣き笑ってみせる。
いつの間にか上げられた舞台から、降りることさえ出来ない。