昨日の川の流れさえ、明日に吹く風でさえ

心の中までは解らないし、他人の心情は想像の域を出ない。

そういう意味では、誰もがみな自分だけの世界を生きているともいえる。

孤独な宇宙の中に放り込まれた、迷い人みたいなものだ。

他人は他人でしかなく、感情を残らず共有できる存在ではない。

誰と話していても「何を言っているのか全く解らない」という瞬間がある。

相手が何を言いたいのか解らないが、取り敢えず解った事にしておいているだけ。

申し訳ないとは思うけど、相手も「解らない」と感じているだろうし、お互い様か。

生まれ持った感性も違ければ、暮らしてきた環境も違う。

どんな人に囲まれて、どんなことを経験してきたのかは千差万別。

自分でさえ異なった環境で育っていれば全く違う人間が出来上がっただろうし、今の自分ともし会話する事が可能であったとしても、決して解り合えはしないだろう。

この宇宙に、1つとして同じものはない。

どれだけ同じものに見えたとしても、それは全く違うものだ。

何を思って、何を感じているのか、私には解ってあげられない。