一切とはただ空であるから、そのままでは何も存在していないに等しい。
だから形作り、色を塗り、旋律を奏で、細分化し、役割を与えた。
個々のピースを繋ぎ合わせて、世界というパズルが組み上がった。
何もない場所に、何もかもを作ったのだ。
無色透明で全くの無音であったなら、どれだけ退屈な世界であっただろうか。
そもそも生きるということは何の意味もなく、単なる暇潰しに過ぎないのだから。
死ぬまでの時間潰しは、ゴチャゴチャに入り乱れた奔放な世界が望ましい。
そう考えればなんだ、初めから願いは全て叶っている。