特別視

好きなものは、自分にとって特別になる。

好きなものを非難されれば、自分が非難されたかのようにさえ感じられる。

そのせいで、他人と揉めたりするほどだ。

好きなものほど握り締めたくなるから、どこかで壊してしまいそうになる。

そして手放してしまった時の喪失感は、言語に置き換え難い。

特別とは、執着と同義だ。

執着は執念となり、いつか怨念にさえ変わってしまうもの。

怖ろしや、人の心とは。

まっこと、怖ろしや。

けれども、何も掴まえず、何も思わず、何も感じないとは、空気も同然。

そんな霞の如き生き方が出来る訳もなく。

いつだって、特別視した何かに振り回されるのが人生だ。