笑いの話10

往年の名人が、「落語とは業の肯定である」と言っていたが。

落語ってのはつまり、人間は愚かだけど可愛いものだねっていう慈しみの視点なんだよな。これはまぁ、私の個人的な解釈だけれども。

仏教の説法が、落語の源流だなんて説もあるそうで。

人間の潜在的な欲求に根差したテーマを扱っているから、何百年も前に作られたネタであっても面白いし、示唆に富むなぁって思うんだろうな。

人間ほど腹立たしい存在もないが、人間ほど興味深い存在もないので。

どうにかその欠点を笑いに転換できないかと、いつも画策している。