象の器

蟻に象の器が計りきれる訳がない。

象の器が計れるのは、同じ大きさの象だけだ。

有象無象に何が解る。

お前の器を計るなど、私には造作もない。

無造作に言葉を放り投げる。どうせ誰にも理解出来やしないのだし、私の言葉は誰一人にも届かないのだから。

人知れず、器にひびが入る。

誰知らず、器が半分に割れる。

露知らず、器は粉微塵になっていた。