無様

幸せに生きている「普通」の人間たち。

不幸せに生きている「普通じゃない」人間たち。

何が違うというのか、どこで道を間違えたというのか、そもそも生まれてくるべきでなかったのか。きっとそうなんだ。だって運命には抗えない。そういう人間になるべくしてなったんだ。人生の成功者も、人生の落伍者も、初めから決まっていたんだ。

産まれて生きて、死んでいく。

生きている間に何を選べたというんだ。

ただ、流されていた。大きな力に。

抗えない大きな力に飲み込まれ、不可抗力の楔で打ちつけられる。

何を選べたというんだ。何を。俺は何も選べなかった。こうなるしかなかったんだ。

無様。

何も無い様。まるで俺のためにつくられた言葉のようだ。