びろうど

チャットモンチーの最後のアルバム、ぶっちゃけ燃え尽きた感が強くて微妙だと思ってた。ドラムの子が抜けても、あれだけたった二人になっても自分たちだけの演奏に拘ってたのに、何で打ち込みサウドへ転向したのか、なぜそれが最後のアルバムになってしまったのか、謎は尽きない。そして流れはじめた、最後の曲。バンド最後の曲。最初少し聴いただけで、名曲だと確信した。最後まで聴いて、やっぱり名曲だった。この一曲のためだけにこのアルバムが存在したといってもいい。やっぱり曲に子供の歌声入れるのは反則ですわ。こんなの泣くしかないじゃん。普通のバンド編成で聴きたかったけど、これはこれでいいのかな。バンド解散の上で生まれたアルバム、びろうど、誕生。きっとこれで良かったんだ。

橋本絵莉子のソロも注目していきたい。やっぱりチャットモンチーというバンドは、えっちゃんありきだった。決してワンマンではない。歌詞は他のメンバーがたくさん書いてたし、えっちゃんはそれらに曲をつけて歌ってた。えっちゃんが作詞作曲する曲は切なかった。でもそのスタイルが良かった。でもドラムの子が抜けてから、今までと同じようにはいかなくなった。何かが少しずつ歪み始めた、その歪みが最終的に解散という形に至らざるを得なかったのだろう。

最初はいい。どんなに無様でも、どんなにかっこ悪くても。船出はそんなもんだ。

最後は切ない。だからバンドは解散してほしくない。悲しい。虚しい。

物事に終わりがあるってことがこんなに切ないとはな。

びろうどが色褪せないうちに、俺たちは人生を駆け抜ける。

終わりを考えちゃいけない。

今は、今だけ。

考えちゃいけない。

さぁ、走ろう。

どこまでも走り抜けてやろう。