事切れる前に

星新一の『午後の恐竜』を読了。

千篇を越す彼の作品群の中でも、この表題作は群を抜いて好きだなぁ。

人は死の間際に、人生の回想が映像のように脳裏をめぐるという。いわゆる、走馬灯。

この話は核により世界が滅ぶ日に、地球に生命が誕生し進化していく様が走馬灯のように映像化されていく・・・という物語。

深い、実に深い。

地球とは一つの生命体であるとする、ガイア理論という考え方がある。まさに人間は、地球の癌って訳だな。星そのものが壊滅したら、人が生きていける訳が無いのにね。全く、浅はかで実に愚かだ。

地球だけでなく、宇宙までも一つの生命体なのだとしたら?更に、宇宙すらも内包する何かが存在するのでは・・・?

神を肯定するとそこで思考はストップだが、そんなものを信じない方が無限の可能性が考え得るので、実に興味深い。