四葉のクローバー
君からもらった四葉のクローバーを押し花にして栞をつくった
嬉々として大切に使っていたけど
君との関係が疎遠になるにつれ存在も忘れていってしまった
読みかけの本に挟んだまま何処かへ
それから幾月もたって 君がこの世を去ったことを人伝に知った
あたりまえのように過ぎる日々の中で ふいにやってくる悲しみ
何一つ確かなことなんて無くて
引き出しに仕舞ってた写真は いつまでも楽しげな笑顔を浮かべたまま
変わらないものは思い出だけで
ぼんやりと眺めていた夕時のニュースは多くの不幸を淡々と語る
感情的に伝えられる訳も無い
もしこの世界に起こるすべての悲しみに涙を流していたら
僕らは水分を失い枯れ果ててしまうだろう
空が茜色に染まり今日の終わりを告げる やがて闇の訪れ
どんな道を選んでも避けて通れない 悲哀が滲む溜息
昨日の笑顔が夢のように
限りない選択肢を無意識のうちに選び取って 今ここに
もう二度とは戻れない
あたりまえのように過ぎる季節の中で 忘れゆく悲しみ
移ろわないものなんて無くて
君といた時間を物語るものを少しずつ整理していった
もうすぐ明日がやってくる