詩でも書きましょうか〜その6

四葉のクローバー

君からもらった四葉のクローバーを押し花にして栞をつくった
嬉々として大切に使っていたけど
君との関係が疎遠になるにつれ存在も忘れていってしまった
読みかけの本に挟んだまま何処かへ

それから幾月もたって 君がこの世を去ったことを人伝に知った

あたりまえのように過ぎる日々の中で ふいにやってくる悲しみ
何一つ確かなことなんて無くて
引き出しに仕舞ってた写真は いつまでも楽しげな笑顔を浮かべたまま
変わらないものは思い出だけで

ぼんやりと眺めていた夕時のニュースは多くの不幸を淡々と語る
感情的に伝えられる訳も無い
もしこの世界に起こるすべての悲しみに涙を流していたら
僕らは水分を失い枯れ果ててしまうだろう

空が茜色に染まり今日の終わりを告げる やがて闇の訪れ

どんな道を選んでも避けて通れない 悲哀が滲む溜息
昨日の笑顔が夢のように
限りない選択肢を無意識のうちに選び取って 今ここに
もう二度とは戻れない

あたりまえのように過ぎる季節の中で 忘れゆく悲しみ
移ろわないものなんて無くて
君といた時間を物語るものを少しずつ整理していった
もうすぐ明日がやってくる