ピース

村上春樹の『ノルウェイの森』を読了。

上下巻の本を二日たらずで読みきるのは、遅読の私にとっては破竹の勢い。実際、ほぼ一息で後半まで読み進めた。

それは何でかって、めっちゃ面白かった!!からに他ならない訳だが。

会話文とかいつも以上に良かったなー。笑える箇所も多々。緑との掛け合いなんて最高。ピース。

純文学の往年のテーマである、死とセックスがこれでもかと盛り込まれ畳み掛けてくる。

何人死んだんだ結局?それでもシツコク感じさせないのが、春樹マッジクか。

個人的には、ハツミの死が一番衝撃だったな。まさか死ぬとは思わなかったし。永沢に対して「システムなんてどうでもいいわよ!」と叫ぶ場面が印象に残った。生涯埋まらないであろう価値観の相違。想いの強さと叶わない願い。あまりに切ない・・・。

全体的な渇き具合が今の自分とすごく共感する部分があって、非常に読みやすかった。

偶然の一致→本が出版されたのが1987年、作中の設定が二十歳の頃、私が二十歳の誕生日の夜に読み始めた。

人生は哀しいが、どこか優しい。