夏目漱石の『それから』を読了。
三四郎から続く三部作の第二部だが、物語としての繋がりは無いんだな。主題になっているのは恋愛。二つとも悲恋だから、次もそうなのかもしれん。
それにしても、これは予言書か?主人公はアレだよ、ニートだよ。働きません死ぬまでは、的な。
自信過剰で理想論者。労働など無益と思考。時は精神向上させることに使うべきで、人はパンの為に生きるにあらずとのたまう。
よく言われるね。人はパンを食うために生きるのか?生きる為にパンを食うのか?
衣食足りて礼節を知るという言葉が示す通り、生きていくことに安定がもたらされることによって人は文化的になっていく。
上記の問いは両方正しい。空腹が満たされて初めて、生きる意味や道徳的な観念を考えることが出来る。当然生命の持続には食わねばならない。
働かざる者食うべからずってこったな。パン(労働の対価)の為に生きない奴が人生を偉そうに語るなと。
最終的に主人公は親からの援助を切られ、働く決心をしたところで物語は終わる。
生きる意味は労働の先にある。働かない人間は生きる意味を考える必要はない。