村上春樹の『東京奇譚集』を読了。
自分で奇譚って名付けちゃうくらいだし、話のぶっ飛び加減がいつも以上なのは作者も自覚済み。
何かっていうと彼の小説は、人が消滅して、不思議な生きものが喋り出して、奇妙な世界の存在が示唆されるねー。
消滅する話、嫌いじゃないよ。この訳の解んなさ加減がクセになったり。消滅したまんまのと、消滅したあと帰還(傍点ふりたい)する話とがある。奇妙な世界に足を踏み入れた彼らは何を見たのか?
元々シュール好きだしね。純文学にそういうのがあってもいいでしょ。
相変わらず彼の文庫には解説がない。一冊たりともない。依頼があっても皆逃げちゃうんだろうな。書ける訳ねーだろ・・・と内心冷や汗かきつつ「私より適役がいるはずです」と。
彼がノーベル文学賞をとったら、日本文学界はひっくり返るよ。