バイト終わりのすれ違い。
「髪切った?」
「・・・可愛い?」
「可愛い」
一つ静かに頷いて、あの子は帰っていった。
人から見れば、他愛のない普通の会話なのかもしれない。
でも私にとっては、あの子とのやり取りのすべてが重要で、大切な時間。
強く強く抱きしめたくなるような、愛しいひと時。
命は音も立てず流れていく。命がいつか辿り着く場所へと。
人生。
人が生まれて死ぬまでの間、何度笑い、何度泣くだろう。
君の涙のぬぐい方すら解らず、笑わせ方も解らない。
でも・・・ただ、君がそこいるだけ私は幸せな気分になる。
生きる力に如実に関係しているんだよ、君は。
どうか笑っていて。いつまでも、いつまでも。