稀にある、調子のいい時。
おそらくそれは、普通の人にとっての当たり前で。
もう私は、当たり前が何なのか思い出せない。
調子のいい時というのは――体調、精神状態が、割と通常である時。
あ、今調子いい。
空から、マリオのスターが降って来たように。
何やら“始まり出す”のだ。
ある意味では、躁状態ってことかもしれん。
そういう時に、普段は出来ないことを一気にやる。
今日は、掃除機をかけて、缶に山ほど入っている小銭を入金しに行って、組み立て式の安いカラーボックスを買った。
帰って来て、力尽きた。
カラーボックスを組み立てる余力は無い。
調子のいい時は、唐突に始まって唐突に終わるのだ。
こんな普通のことも、普通に出来ないなんて。
私の人生、どうなってんだ。
体力、気力は、何処かへ行ってしまったらしい。
糸の切れた、操り人形。
異性でしか埋まらない穴という幻想に苛まれながら、今日という日が暮れていく。