欠陥品

心残りと言えば。

誰かに、死ぬほど愛されたかった。

誰かを、死ぬほど愛したかった。

でも考えてみると、私は本当の意味で人を愛したことは無い。

それが例え、家族であっても。

愛情という感情が、抜け落ちているのかもしれない。

女にしても、可愛いと思うことは幾らでもある。

でもそれは、容姿に惹かれているだけの話で。

その子の性格を好きになったことは、ただの一度も無い。

誰も彼も似たり寄ったりで、面白さの欠片も無い。

・・・言い過ぎか。でも、事実だしな。

こんな感じでは、やっぱり死ぬまで孤独かもな。

自分という存在は――――この世界とは全く違う空間から、何かの手違いで送られて来たんじゃないかって。

だから私は一人で、ずっと一人で。

この世界に、独りぼっちなんじゃないかって。

そんな取り留めの無い空想に、取り憑かれたり。

欠陥品は、ゴミ箱に捨てなきゃ。