何だっけね

――――だったような気がする。

あれ?

何だっけ?

今はもう、思い出せないや。

昔はさ、色々あったと思うんだ。

生きる意味みたいなものが。

楽しいこと、好きなこと、笑えること。

明日の楽しみを待ちきれなくて、わくわくしながら眠った夜があったのに。

いつからか。

楽しいことが、減って、減って、減って・・・。

明日が来るのが怖ろしくて、眠れない毎日が始まっていた。

昔の自分に申し訳ない。

ごめんな、こんなダメな大人になって。

こんな筈じゃなかったのにな。

かつて思い描いた未来の場所へは、立てなかった。

もうすぐ、心の灯りが消えてしまう。

どんな煌々とした照明の下でも、心の灯りが消えてしまったら、もう何も見えない。

世界が終わってしまうのと、同じ。