辞書の話

この世で最高の書物とは何かと問われれば、私にとってそれは辞書である。

無人島で生涯を1人で暮らすことになるのなら、私は必ず辞書を持っていくだろう。

言葉とは理性の象徴。言葉を失った時、自我は静かに崩壊していく。

私が使っている辞書は、新明解の第五版。

使い始めて、早11年。

私が辞書を引く頻度は異常なので、さながらボロ雑巾のようになっている。

数年前の時点で、既にまともに使えない程に傷んでおり、新しく出た第六版を買ったのだが、結局は愛着のある第五版を使い続けていた。

だがしかし、今度こそ限界に達したと思う。

破れてページが足りてない個所も多いし、背表紙から中身が分離してしまって、接着剤で無理にまとめている有様。

本日をもって第五版は引退させて、第六版を使うことにする。

捨てはしないし、とっておくけど。

自分の部屋と、居間の二ヶ所に欲しいから。

広辞苑も持ってるけど、コンパクトな新明解の方が使いやすい。

今日も、明日も、明後日も。

私に知らない言葉を教えてね。