同じ空を見上げても、思うことは違うから

どれだけ、心と心が近付いたとしても。

人と人が孤独であるという事実は、変わらない――――

私には、あなたの考えていることが解らない。

あなたには、私の考えていることが解らない。

想像することは出来ても、想像の域を出ることは決してない。

まぁ、でも。

自分と全く同じ思考と感性の人間なんて、自己のコピーに等しい。

鏡に向かって、独り言を呟いているのと大差ない。

それでは、面白くも何ともないんだよ。

違いがあるからこそ、会話には意味がある。

解り合えなくて、ぶつかって、喧嘩して、揉めに揉めたとしても――――

自分のコピーやクローンだけじゃ、世界は退屈だ。

解り合えないことを、いかに楽しめるか?を考える。

それは、どうすれば人生を楽しめるか?という問いに直結している。