最終突撃命令

ほんっと、生まれて来るべきでは無かった。

決められたレールの上を走らないどころか、全力で逆走する人間。

だが、後ろは振り返るし、周りは気にするし、危機迫る小動物のように怯えている。

私には強烈過ぎる個性と同レベルの、自分を信じ切る能力が無い。

だからいつも、気になって、気になって、気になって仕方ない

自分がどう見られ、どう評価されているのか。

気が狂う程に、他者の眼に敏感だ。

・・・。

私は私の生きたいように、進んで行く!!

何者も邪魔立てするな!!運命さえもそこを退け!!

弾けるような勢い、燃え滾るような情熱、決して折れる事の無い信念。

そういった途方も無いエネルギーに、憧憬の念が止まらない。

でも――ただ、ただ、欲しているだけじゃ・・・。

思い描くだけじゃ、指を咥えているだけじゃ、手に入る訳が無い。

心に、火を灯そう。

今にも消えそうな揺らめきが、いつか世界を照らす灯火と成るように。