不鮮明

切り捨てることの方が遥かに楽だ、繋がることの難しさに比べれば。

築き上げるのに膨大な時間を費やそうとも、崩れる時は一瞬。

プロフィールに書いてある、“私も、あなたも、明日には消えているかもしれない”というのは、死別だけではなく、存命中であろうとも、関係がいつ断ち切られるかは解らないという意味でもある。

私が、君を嫌うかも知れない。

君が、私を嫌うかも知れない。

関係性は不確かだ、いつ終わっても不思議ではない。

終わる訳ないよね?ずっと続いていくに決まってるよね?・・・というのは。

完全に、所有欲の虜。

人が人を所有しようなんて、烏滸がましいにも程がある。

人の心は変わるんだよ、絶望的なまでに。

昨日までは、確かにそうだった。

それが、今日も同じである保証はない。

受け入れる。

何がどう変化しようとも。

変わっていく全てのことは、誰にも止められない。

移ろう心を、縛り付けてはいけない。

不自由さを、押し付けてはいけない。

あらゆる自由を、認めなければ。

そうでなければ、いずれ自分の首を自分で締め上げていくことになる。

他人を雁字搦めにすれば、やがて息も出来ないほど苦しくなるぞ。

他人の自由を封じながら、自分だけ自由に生きていける訳が無い。