恐怖のイメージってのは、すぐに浮かんで来る。
1つだけじゃない、あらゆる恐怖対象が脳裏に形作られていく。
それに対して幸福のイメージというものは、何故こうも難しいのか。
よーし思い浮かべるぞ!って頑張っても、なかなか上手くいくもんじゃない。
怖ろしいもんは、勝手にどんどこ量産されんのにさ。
想像力というものは、今までの経験によって左右される部分もある。
ずっと幸福なら、幸福をイメージしやすい。
ずっと不幸なら、不幸をイメージしやすい。
プラス思考、マイナス思考って奴も、想像力に関係しているはず。
突き詰めれば、経験をどう捉えるか。
経験に対して思った感情が、脳裏に刻まれる。
脳裏に刻まれた感情が、その人間を形作っていく。
所詮は人間など、単なるリアクションマシーンに過ぎないのだから。
身に起こるものを皆、肯定的に捉えていけば。
おどろおどろしい戦慄のイメージは、やがて影を潜めていくに違いない。