制限と思い込み

強固な鍵を用いて、厳重に施錠。

開ける必要もないし、中身を見る必要もない。

一安心。

ふとした時に、鍵を失くしたと気付く。

そういえば、とても大切なものを入れていたと思い出す。

今すぐこの瞬間にでも、必要なものだったのだと。

開けたい。

でも、鍵が見つからない。

焦燥感が、精神をじりじりと焦がしていく。

追い詰められて、徐々に首を絞め上げられるような不安。

・・・いや、待てよ。

そもそも、初めに鍵などかけたのか?

全ては制限という思い込みが、架空の施錠をさせていただけ――――

あらゆる制限を、あらゆる思い込みを、残らず取り払ってやれ。

自由は初めから、私の手の中。