川上未映子の『わたくし率 イン 歯ー、または世界』を読了。
久々に、小説をちゃんと読んだ。
読み止しの小説は山程あるが、それらを全て消化する気は更々ないらしい。
読み終える前に新しいものが次々と増えていくんだから、どうしようもない。
この小説を手に取ったのは、要するに千円札が1枚も無かったから。
千円でやってくれる床屋にいつも行ってるんだが、1万円で払うのは気まずいし、お釣りに千円札を9枚もらうのは、もっと気まずい。
何か買って崩すか・・・で、適当に本屋に入り購入。
川上未映子って、前から気にはなってたんよ。
情熱大陸だかの密着系の番組で知って、この人だいぶ面白いなーと。
大体ね、話してることが面白い人って、文章を書いても面白いのよ。
私が言う面白いってのは、発想や着眼点が独特って意味ね。
でまぁ、読むでしょ・・・って、なんじゃこりゃぁっ!?
脳内を、棍棒でもって思いっ切り撹拌されるかのような・・・。
問答無用で世界観に引き込まれて、一気に読み終えた。
作品のテーマが、私の最近のテーマと似通っていたね、うん。
存在の存在を存在たらしめているものは、結局なんぞやと。
哲学に1%も興味の無い人には、まるで面白くありません。悪しからず。
つい先日は友人に対して、「明治・大正・昭和の文学こそが至高!今の文学(村上春樹を除いて)なんて、全く読む価値が無い!」とのたまってしまったが・・・。
文学の血は脈々と生き続けているんだ。日本は大丈夫だ。