流行り廃り

世の中のブームが去って、自分の中のブームが去って。

それでもやっぱり好きだなぁって思えるなら、その気持ちは本物なんじゃないか。

この自分の中のブームってのが重要でね。

信じられないくらいに冷めてしまう瞬間が、どうしてもある訳で。

どうしてあんなに好きだったんだろう?って、何だか白けてしまう感じ。

作品なり人に対する評価って、物凄く感情に左右されるもので。

客観的になんて、ほぼ見られないよ。

まぁ、初めからそんなものは無いのかも知れない。

非常に個人的で、主観がかった物の見方しか出来ないのかも。

他人の意見なんて関係ないしね、当人が思ったことが自分の世界の全てだ。

とにかくまぁ、酷く興醒めしてしまう時ってあるんだけど。

ほとんどのものは、そうやって冷え切ってしまう運命なんだけど。

ほんの一握りの、自分にとっての本物があるんだよねぇ。

そういう風に思ってしまうと、それはそれで執着に繋がるんだけど。

でもま、人間だしね。執着して何ぼみたいなとこありますよ。

束縛の度合いが愛の深さに比例するかは、取り敢えず不問の方向で。

全てに対する執着度を下げれば、確かに楽にはなる。

でも何だか空虚だよなぁって、思う訳で。

そうやって人間が初めから、苦労して苦悩するように出来ているなら。

定めを受け入れた上で、その苦労や苦悩も楽しめばいいんじゃないのかって。

全ての人間が悟ってしまったら、世界は終焉を迎えたのと同義かもな。

うんざりするほど醜く、抱き締めたくなるほど可愛い。

それが人なのかも知れないと、思う訳で。