線引きは誰にも出来ない

色んな考えに触れ過ぎて、ごちゃごちゃなってきたら。

人間失格』を開いて、“世間というのは、君じゃないか”のくだりを読む。

10代で初めて読んだ時はさらっと流した場面なんだけど、大人になってから読み返すと、何度読んでもドキッとする。

自分への戒めの意味も込めて、このページに栞を挟んである。

世間が認めない?世間が許さない?馬鹿を言うな、全部お前の頭ん中の話だろ。

数を味方に付けた気になって、これが一般常識なんだと喚いたところで・・・。

個は、どこまで行っても個なんだ。

世間というぼんやりとした尺度を持ち出さずに、自分の言葉で喋れないのか?

正常と異常の間に線を引いて、自分はまともな側だと信じ込みたいだけだろ。

正解も不正解も、初めから個々人の感覚でしかない。

昔から私も線引きが好きだったけど、もう止めたいと思ってる。

自分の方が正しいと盲信して突き進むのは、敵を作り続けるだけだしな。

可能な限り今は、線で区切らず丸で囲っておきたい。