深淵からの帰還

やっぱりどうも私にとって、人と話すことより楽しいことは無いようだ。

自由な時間が増えれば増えるほど、1人の時間を持て余す。

趣味がね、本当にただの1つも無いんですよ。

いつかの先生が、「読書は趣味じゃない」って言ってたけど、確かにそうだよなぁって今になって思う。

つまり読書とは、ひたすら自分を高めていく行為であって、それは怠ることなく継続し続けていくべきものだ。“精神的に向上心のない奴は馬鹿だ”って夏目漱石も書いてるけど、読書は自己を向上させていく要因に成り得るだろう。

読むことも書くことも、より良い自分に成る為に。

それは文章に限った話ではなくて、物事は一生勉強なんだと思ってます。

私にとってあらゆる学びは、この次誰かと会った時に、もっともっと素晴らしい時間を過ごせるようになって・・・それだけを考えてる。

・・・。

今までずっと、心という深い深い海の底へ潜っていく人生だった。

マリアナ海溝なんて問題にならない、人が持つ心は宇宙のように深淵。

誰にでもそういう時期はあるんだろうけど、私の潜水時間はあまりにも長く、そして命を削るかのような過酷な歳月だったように思う。

これ以上まで深く潜ることは出来る・・・出来るが、ここで引き返す。

もう一度、水上まで浮上していって。

波打ち際で誰かと笑いあう、そんな日々の中へ戻っていく。