一反木綿に憧れて

一反木綿のように薄く柔くなれば、いつか空も飛べる。

もう要らないんだって、その観念もその概念も。

捨てていく、捨てていく、迷いもなく。

握り締めるほど必要なものなんて、本当は何もない。

薄っぺらく生きようぜ、生の自覚も薄いほど。

やがて、死さえも怖くなどなくなる。

風に吹かれて幾千里、私を縛り付けるものなど何もない。