個性々々って、うるせぇんだよ、そう言ってるお前は量産型だろうが。
いや、実際は量産型でいいのさ。
私なんて、死ぬほど個性的だからな。
世の中に、自分と同じ考えの人間なんて存在するのかと思うよ、ほんとの話。
全く、この個性のせいで今までどれだけ苦労してきたか。
私だってな、私だってな、量産型になりたかったんだよ!!
私はただ平穏無事に、その辺の街人Aとして暮らしたかっただけなんだ。
同じような顔をして、同じような服を着て、同じような感じで歩く。
同じような思想を持ち、同じようなことで笑い、同じようなことで泣く。
それでええねん。
個性なんて、邪魔なだけだぞ実際。
しかも服と違って、死ぬまで脱ぎ捨てられない。
一種の、呪いですね。
生まれた時から、体に染み込んでいる呪い。
人と違っていることで得することなんてない。
それが仕事に繋がるのなら別だが。
仕事と無縁の個性なら、初めからない方がいい。
来世はどうか、無難な量産型として・・・。