私の大好きなものは、あなたの大嫌いなもの

私はよく好きで詩を書くもんだから、よく解っていない頭が悪そうな奴に「いいポエムですね(笑)」とか馬鹿にされると、割とマジギレしそうになっているが、私は写真や実写の芸術ぶった作風が大嫌いで、よく「芸術気取り」ってフレーズで無下に扱き下ろすから、人は自分の嫌いなものに対して全く不寛容であるし、馬鹿にして当然くらいに思っているんだなぁというのが正直なところである。これに関しては、きつく堅く自戒せねば成らぬだろう。

人は誰でも、大切なものを抱えて生きている。1つや2つ、あるいは3つ。多い人もいれば少ない人もいるが、おそらくは何かしらを強く抱いて生きている。もし今現在大切なものを何も抱えずに生きているのだとしたら、その人はもう長くないかも知れない。ある日ふっと消えてしまうかも知れない。大切なものとは、取りも直さず自分自身が生きる意味となるからだ。

たとえ一握の砂に過ぎないとしても、その人にとってはその一粒一粒が掛け替えのない、取り返しの付かない、唯一無二の光の欠片なのだ。それを決して奪ってはいけない。取り上げてはいけない。いつまでも、いつまでも、掌の上で死ぬまで愛されるべきなのだ。

だから貴殿も、他人の大切なものを不用意に扱ってはいけないよ。