円い心

自分で勝手にルール定義するから、面倒なことが増えるのだ。

能動的に何も定義しなければ、私はルールに縛られることはなくなる。

世の中は法律を守らなければいけないということになっているから、とりあえずそれは守るとしても、別に頭の中では何を考えたっていい。

何を考えてもいいし、何も考えなくてもいい。

そうであってもいいし、そうでなくてもいい。

正義や価値を定義しなければ、私は永遠に外部の如何なるものによっても拘束されることはない。

私はいつでも自由なのだ。

私はいつまでも自由なのだ。

一つの色だけを選ばないことによって、私は何の色でも選ぶことが出来る。また、何の色も選ぶ必要に駆られなくなる。

白と黒の間に広がる無限の色彩を、私はどこまでも歩いて行ける。

今日は大空を飛ぶ鳥となり、明日は海底で暮らす物言わぬ貝にもなれる。

円は、始まりがなければ終わりもない。上も下もない。優劣も規律もない。先を歩いている人も、後ろを歩いている人もいない。どこから歩き始めても、いつかまた同じ場所に辿り着く。いずれは遥かな高みに到達できるはずなどという思い上がりは、ただの幻想に過ぎないことを教えてくれる。

この宇宙の円運動は、私がどこで何をしていてもいいことの証なのだ。