色って、ほんと色々

ミスチルのGIFTという曲で、“白と黒のその間に無限の色が広がってる”という歌詞があるんだが、人によってはこの歌詞の意味が大真面目に解らないらしい。

私はもちろん初めて聴いた時点で理解できたし、なるほどいい歌詞だと思ったから、解らない意味不明とか言われても、いやアンタの感性の方が解らないし意味不明だけど?とそっくりそのまま返したい。

誰とは言わないが、某アイドルがテレビにおいてドヤ顔で、「この歌詞って意味が解らないよねー。だって僕、白と黒の間に無限の色が広がってるなんて思わないもん」などと公共の電波で発言していて、凄く白けた。そいつのことは今でも少し軽蔑している。

本当に大真面目に解らない人たちのために、少しだけ解説したい。

小学校の頃、誰でも12色の色鉛筆を買ってもらったと思う。24色でも36色でもいいんだが、とにかくある程度の種類が入った色鉛筆を持っていたでしょう。

これは大体、一番薄い白から始まって、肌色・水色・黄緑などと少しずつ色が濃くなっていき、最終的には黄土色・茶色、そして最後は黒で終点となる。

何も、白と黒の狭間を見つめ続ければ他の色がいつか見えてくるなどという馬鹿げた話ではない。理解できない派の連中は多分そういう風に解釈したのだろう。

つまり白と黒の間に広がる無限の色というのは、色の種類を12や24などでザックリ区分してしまうのではなく、絶え間なくどこまでも細かく分けていくと、限りなく無限に近い色彩のグラデーションが生まれるのだということを言っているのです。

濃度1の青と、濃度9999の青は違う色。ほとんどの人には見分けがつかなくても、濃度1の青と濃度2の青は違う色。

無限に広がる色のように、この地球に存在する70億人もまたみな違う人であり、どんなに似たような顔や思考回路を持っていたとしても、全く同じ人間ということは有り得ないのだし、その僅かな差異を蔑ろにしてはいけない。

そういった多種多様な価値観・思想などを受け入れ、無下に否定したりせず、認め合い尊重し合い、共存していきましょうというのが、この曲の歌詞が主張していることの骨子になろうかと思います。

それぞれ違うのだから、十把一絡げに括って、差別や排斥などしてはいけない。

白が善で、黒が悪という訳ではない。

黒に染まっていくことを怖れる必要はない。

白に薄まっていくことをつまらなく思わなくていい。

生きていれば色は変わっていくもの。

その時々の、個性の度合いを反映している。

無理に変えようとする必要はないし、絶対に変わらずいるのだと踏ん張る必要もない。

あなたの色は、いつでもあなただけの色。

そうして出来上がる、唯一無二の自画像。