殺伐キッズ

昔ほど殺伐とした生き様ではなくなったけど、同時に立ち向かっていく勇気や揺るがぬ信念などが過去に置き去りになったのも事実。俺は変わってしまった。もう戻れない。俺は違う人間になってしまった。もう帰れない。

でもあのまま殺伐とした精神でたった一人、たった一振りの剣を武器に戦い続けていたら、今よりもっとひどい有り様になっていただろう。これくらいで済んでよかった。そういう考え方もある。

中二病とはいうけれど、誰だって若いときはなにかと戦っているし、世界の矛盾、自己矛盾、アイデンティティの確立、自分という存在とはいったいなんなのか、始まる意味と終わる意味など、考えることは山ほどある。そういうものは、大人になればいつか忘れる。世の中に順応し結婚して家族も出来ればそんなこと考えている余裕もない。けれど世の中のレールに乗れなかった俺みたいな人間ほど戦いは長引く。30だろうが40だろうが、殺伐キッズとしての日々は続く。俺はもうその日々をくり返すことをやめたけど。

薬でだいぶ押さえ込まれているっていうのもあるけど、もう戦いの日々に身を置くのは無理だし、やる気もない。そういう殺伐としたものは、もう飽きた。意味がない。俺一人があがいてみたところで世界はなにも変わらない。俺にとっての世界とはこのブログだけであって、ここはサンクチュアリであり、何人も侵攻することを許さない不可侵領域である。俺には「この」世界だけがあればいい。「外」の世界は知ったことではない。