怒り

あらゆる感情が減退していっても、怒りだけは最後までかたくなに残るだろう。

人生で許せなかったことなんて、腐るほどあるからな。

怒る理由なんて、枚挙に暇がない。いつでもキレることができる。

怒りだけは物凄い。俺はたぶん、怒ることだけを頼りに生きている。

怒りがなくなったら、本格的に廃人になる。

なにも考えることのできない、ただぼーっとしているだけの人形になるだろう。

怒りさえ、俺を人間として存在させるために必要なのだ。

怒りが消えたら、俺は人間を辞めることになる。

喜楽が残っていれば怒りなんて不要なんだが、生憎きれいさっぱり消え失せた。

こんなことでしか、俺の生き残り戦術はない。

怒りに振り回されながら、なんとか今日も命をつないだ。