あたしには関係ないけど

俵万智の話。

かぜのてのひら。

出発の朝に眺めるテレビ欄 見られぬものゆえ克明に見る。

この感性ですよ。

だから何って思うでしょ。

センスって説明できないんだよな。

いいでしょ?これっていいでしょ?って言っても。

感性の違う人とは「は、はぁ……」で終わる。

ぶっちゃけ俵万智の短歌ってほとんどピンときていないんだけど。

たまに、なるほどなぁって思う短歌がある。

そもそも出かける日にテレビ欄なんて見ないでしょ。

意味がないから。

それを、見られぬものゆえ克明に見るというセンス。

意味がないことをわざわざ克明に見るというセンス。

アホなの?って思う人もいるでしょう。

旅立ちの日に、テレビでは何がやるのだろうと気になるセンス。

旅立ちの日は忙しくて新聞自体読んでいる暇なんてない。

それを克明に見るっていうんだから凄い。

土地が変われば放送される番組も違うでしょう。

なんで旅立つのにテレビ欄を克明に見るのだろう。

それは解らないけど、気になるじゃん。

そんな人いるんだって。

気づきなんだよね。

俵万智もあとになって気がついたと思う。

なんで私、テレビ欄なんて読んだのだろうと。

おもしろいことをしたもんだ。

だから短歌になる。

なんでこんなことをしているんだろうは短歌になる。

ふつうの人が絶対にやらないことをしている訳だから。

名残惜しさなのか。

単なる暇潰しなのか。

いずれにせよ旅立つ日にテレビ欄なんて読まない。

俵万智の独特のセンス。

センスって生まれつきだからね。

俵万智は短歌を詠むために生まれてきたんでしょう。

常人には考えもつきません。

感性が違いすぎる。